ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
柚木くんが何を言おうが、私は夕べのことなんて忘れる。そう決めたからには、貫くしかない。

「そっか。それならいいけど」

納得してくれたようで、拓巳も笑ってフォークを口に運んだ。私はすかさず質問して話題を変える。

「それより拓巳は? こないだ残業になったの、トラブルじゃなかったの?」
「ああ……まぁトラブルっちゃトラブルだけど、どうにかなったよ。取引先のミスで、こっちは被害者だったから。電話で散々がなってやった」
「がなるって。大変ねー、係長さんも」
「中間管理職が辛いのはどこも一緒だろ。もうちょい上に行くまでは仕方ない」
「そうだねー」

係長とチーフ。役職名は違っても、立場は似てる。それに歳もひとつ違いで、私と拓巳の感覚は本当に近い。
だから拓巳とは、知り合った頃から何でも対等に話ができた。
それが私には、すごく心地いい。

「……明日の朝はいつも通り?」

料理が一通り終わってデザートを待つ頃になると、私から拓巳に尋ねた。
拓巳はすぐに頷いて、

「あぁ。美咲んちから直接行く」
「……ん、わかった」

デートの夜は、私の家で泊まりになるのが一番多い流れ。
拓巳の部屋は、仕事が忙しいと散らかりがちだから。

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