ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
「仲裁はしてくれなくてよかったけど、ムカついてはいません。里中さんを疎んでも嫌ってもない」

「じゃあ、なんで……」

「なんていうか──満たされてないのに満たされてるって言い訳するのって、自分は幸せだって言い聞かそうとしてるみたいで、虚しくかなって」

「な……」

一瞬、視界がチカチカした。
怒りなのかなんなのか、定かではないけど激しい感情で体がカッと熱くなる。

「あ、あなたね……どういうつもりでそんな……」

「本当は少しも満足してないのに、平凡な現状に安穏と浸かりたくて、幸せだって思い込もうとする。そんなの、つまんなくないですか」

まるで独り言のように話す柚木くんの瞳の奥に、不思議な色の光が見える。
薄くけぶっているようでいて、なぜか目を引きつけて離さない。そんな、不思議な輝き。

私はそれを見つめながら、出口のない迷路に連れ込まれたような錯覚に陥っていた。

柚木くんは、私がそんな人間だって言いたいの?

──違う。私は違う。

拓巳とつき合って3年。新鮮さはなくなってもごく円満に過ごしてるのに、それのどこがいけないっていうの?

「……早く気づいてくださいよ」

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