ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
〇●
「あ、ごめんなさい」
エレベーター乗り場に入る角を曲がった時、ちょうど来た人影と軽くぶつかってしまった。
奈々と話してて若干よそ見してた私は、即座に謝る。
「いえ。お疲れ様です」
返ってきた声は聞き覚えのあるもの。
見上げて顔を確認すると、思ったとおりのスーツ姿がそこにあった。
「あ、柚木くん……」
後輩社員の柚木くん。歳は2つ下の25歳。彼は奈々のチームの社員だけど、もちろん私も面識はある。
私と奈々が同時にチーフに昇格するまでは、同じ営業社員の立場だった。
とはいえ、それほど仲がいいわけではない。
これは私だけがということじゃなく、柚木くんは社内の誰ともあまり仲よくなかった。
寡黙で、仕事に関して必要なこと以外はほとんど話さない。
見た目も細身の長身に長めの黒髪、シルバーフレームの眼鏡をかけてて、よく言えば知性的だけど、悪く言えばカタそう。
営業スマイル以外は笑うこともあまりないから、冷たそうなイメージすらある。
そんな相手だから、私は特に親しみを込めることもなく、儀礼的に尋ねた。
「お疲れ様。お見送り?」
この時間に手ぶらでエレベーターから降りてくるということは、お客様を見送って一階まで降りていたんだろう。最後の接客が長引いたようだ。
「ええ」
「たしかあの人よね? 38歳の商社マン。どうだった?」
「あ、ごめんなさい」
エレベーター乗り場に入る角を曲がった時、ちょうど来た人影と軽くぶつかってしまった。
奈々と話してて若干よそ見してた私は、即座に謝る。
「いえ。お疲れ様です」
返ってきた声は聞き覚えのあるもの。
見上げて顔を確認すると、思ったとおりのスーツ姿がそこにあった。
「あ、柚木くん……」
後輩社員の柚木くん。歳は2つ下の25歳。彼は奈々のチームの社員だけど、もちろん私も面識はある。
私と奈々が同時にチーフに昇格するまでは、同じ営業社員の立場だった。
とはいえ、それほど仲がいいわけではない。
これは私だけがということじゃなく、柚木くんは社内の誰ともあまり仲よくなかった。
寡黙で、仕事に関して必要なこと以外はほとんど話さない。
見た目も細身の長身に長めの黒髪、シルバーフレームの眼鏡をかけてて、よく言えば知性的だけど、悪く言えばカタそう。
営業スマイル以外は笑うこともあまりないから、冷たそうなイメージすらある。
そんな相手だから、私は特に親しみを込めることもなく、儀礼的に尋ねた。
「お疲れ様。お見送り?」
この時間に手ぶらでエレベーターから降りてくるということは、お客様を見送って一階まで降りていたんだろう。最後の接客が長引いたようだ。
「ええ」
「たしかあの人よね? 38歳の商社マン。どうだった?」