ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
すぐに確認したのは上司の奈々で、柚木くんは無表情でコクリと頷いて、

「契約されましたよ」
「おー、やった! 今月好調だねー、柚木くん」

チームの結果はイコール自分の成績だから、奈々も嬉しそうだ。

「今月はうちのチームがトップ頂くかもよ、美咲〜?」
「何言ってんの、まだ中旬でしょ。こっちだってこれからよ」

負けず嫌いが働いて言い返すけど、実際にはたしかに今のところ、奈々チームが売上は抜き出ている。

そう……柚木くんって社内では浮いてるのに、売上はけっこういいんだよね。
何でも要領よくこなすから、それが成績に繋がってるみたいで。

「それじゃあ、今日はお先に。柚木くんも早く帰りなね〜」

ヒラヒラと手を振る奈々と一緒に柚木くんとすれ違い、私達はエレベーターに向かおうとした。
が、思いがけず背後から声がかかる。

「……一緒に帰るんですか?」
「そうだけど?」

振り返って答えつつも、奈々はキョトンとした表情。
続いて私が『どうして?』と尋ねると、柚木くんは抑揚のない声で、

「……いえ。仲がいいんだなと思って」
「……うん?」
「何でもないです。それじゃ、お疲れ様でした」

ポカンとする私達をその場に残して、柚木くんはサッサと角を曲がり、姿を消してしまう。

私と奈々は顔を見合わせて、

「何、あれ?」
「……さぁ?」

と、首をひねった……。

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