ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
「ん? 俺の同居人。っていうか、飼い主かな」
「……………は?」

飼い主? 何、それ?

「毎朝起こすのが俺の仕事なんだ。だから、一緒にいない日にはモーニングコール。これ忘れると怒られるから」
「そっ、そんなことは聞いてないわよっ」

装った平静はつかの間、あっという間に上擦った声をあげる私。

起こすのが日課だとか、そんな話は後回しだ。私が聞きたいのはそこじゃなくて──

「千晶って、女の人じゃないの?」

「そうだよ。30歳独身、ネイルサロン経営者」

「30歳!? 私よりも年上──って、そうじゃなくて! その人……恋人なんじゃ……」

黒い疑惑を乗せた低い問いかけには、少しだけ考える間があった。

「もしかしたら向こうはそう思ってるかもしれない。俺にしてみれば、住むとこ提供してもらってる代わりに尽くしてるだけだけど」
「なっ……!?」

怒りがフツフツと体の奥から沸き上がってくる。けれど何とかそれを押しとどめ、最後の確認をした。

「今の電話、会社だとか言ってたのは……?」

「仕事でオフィスに泊まり込みってことにした。別の女の人とホテルにいるとか言えないでしょ」

「──────!!」

バチーンと、特大の頬を打つ音が朝日の差し込む室内に響き渡る。
きちんと服を着ていたら、ベッドに仁王立ちになりたい気分で私は叫んだ。

「最っ低!!」



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