ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~

〇●


会社では、一言も口を聞いてやらなかった。

始業直前に出社してきた彼の頬にはうっすらと赤い跡があって、みんな訝しんでたけれど私は我関せず。

だってアイツが悪いんだ。自業自得。苦労すればいい。

「どーしよ、接客させらんないんだけど! でもあれナニ!? 絶対手形だよね? 超気になる~っ」

と、奈々なんかは逆に面白がってたけど、私は苦笑する気にもならない。
とにかく徹底的にアイツを見ないようにして、挨拶の『あ』すらしなかった。

それでも怒りは収まらなくて、終業時間になると残業もパスして、即効オフィスを出る。

《Moon Drop》で飲もうかと思ったけど、よりにもよって昨日アイツといた店じゃ意味がないと気づいて予定変更。
一旦家の近所まで帰り、駅前で雰囲気のよさそうなバーを探して、一人で2時間くらい飲んでた。

すっかり酔って千鳥足になりながら、家へと帰り着いたら……

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