ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
──エントランスから少し離れた所に立っている人影を見て、私は冗談じゃなくまたもやバッグを落とす。

「な、なんでここにっ!?」

「遅いよ。もうちょっと帰って来なかったら、危うくこっちが不審者で職質されるところだ」

風避けのためかコートの襟を立て、目を細めて少し怒ったような顔をしてる長身。

眼鏡は、かけてる。
口調を作る気は、もうすっかりないようだけど。

「ま、美咲のことだからどうせヤケ酒飲んでるだろうし、これくらいの時間だとは思ってたけど」

「────!」

状況はわからなくても、言われたことはまた図星でカチンときた。

ええ、どうせヤケ酒あおってたわよ。でもそれもこれも、全部あなたのせいじゃない。

「どうしてここにいるのよっ。っていうかなんで私の家がわかったの!?」

「俺が新入社員の年に年賀状くれたでしょ。翌年から年賀状仕舞いしようかって空気になって1回きりだったけど」

「えぇっ?」

そうだったっけ。そういえば彼にも書いたような覚えはうっすらある。というか、あれって何年前?

「住む家がなくなった。助けて」
「は……!?」

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