ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
「ぶっちゃけ、前からも喧嘩は度々あったから。盛大に機嫌損ねて、『帰ってきてくれないならもう出ていって、帰ってきても入れない』って宣言されちゃった」

「『ちゃった』って、あなたね……」

ぶーたれてるけど、実際あなたはクロじゃないの。そんなのは柚木くんの自業自得だ。

「知らないわよ。泣いて謝って、許してもらえば」

私は冷たく言い放って、柚木くんを振り切り前に進もうとした。
ところが柚木くんも全く引かず、素早く動いて私の進路を封じると、

「無理。それより美咲が責任取って」
「だからそんなの私の責任じゃ──…!」
「美咲のせいだよ。俺があの家に帰りたくないと思うような顔を見せるから」
「えっ……?」

伏し目がちの憂いを含んだ表情で、ぽそっと呟くように声をこぼす。どくんと胸が鳴った。

その一瞬の隙を逃さず、柚木くんは私の腕を掴む。

「寒いからとにかく中に入ろ」

さっきの憂いは見間違いかと思うほど、しれっと言って歩き出した。
引きずられるように歩き、オートロックも有無を言わさぬ眼光で凄まれ開けさせられる。

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