ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
席についていた一人の社員を見て、奈々は訝しげに、
「柚木くんも朝イチ入ってるよね? どうしたの? 何かあった?」
声をかけられた柚木くんは、無表情で奈々を見上げた。
私もつい注目する。
朝イチが入っているならサロンで出迎えはルールなのに、なぜまだ残っているんだろう?
「──いえ、何も。行ってきます」
柚木くんは抑揚のない声で答え、すぐに資料をまとめると立ち上がりオフィスを出ていった。私と奈々は、戸惑いながらそれを見送る。
「どうしたんだろ? 彼がボーッとしてるなんて珍しいね」
首を傾げる奈々に、私も曖昧に頷いた。
──その後、いくつかのオーダーをあげつつ午前中が終わり、お昼になった。
客商売なので基本休憩はずれることも多いけれど、原則は12時。
いつも一緒の奈々は部下がややこしい接客中だから時間をずらすと言うので、私は一人でランチを取りに出ることにした。
下に降りるためエレベーターに乗ろうとしたところで、私はドキッとして足を止める。
エレベーターの前には先客が一人いた。柚木くんだ。
「お疲れ様。今から休憩?」
何気ないふうを装って、短く声をかけた。
「柚木くんも朝イチ入ってるよね? どうしたの? 何かあった?」
声をかけられた柚木くんは、無表情で奈々を見上げた。
私もつい注目する。
朝イチが入っているならサロンで出迎えはルールなのに、なぜまだ残っているんだろう?
「──いえ、何も。行ってきます」
柚木くんは抑揚のない声で答え、すぐに資料をまとめると立ち上がりオフィスを出ていった。私と奈々は、戸惑いながらそれを見送る。
「どうしたんだろ? 彼がボーッとしてるなんて珍しいね」
首を傾げる奈々に、私も曖昧に頷いた。
──その後、いくつかのオーダーをあげつつ午前中が終わり、お昼になった。
客商売なので基本休憩はずれることも多いけれど、原則は12時。
いつも一緒の奈々は部下がややこしい接客中だから時間をずらすと言うので、私は一人でランチを取りに出ることにした。
下に降りるためエレベーターに乗ろうとしたところで、私はドキッとして足を止める。
エレベーターの前には先客が一人いた。柚木くんだ。
「お疲れ様。今から休憩?」
何気ないふうを装って、短く声をかけた。