ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
家ではほぼ毎日なんらかの言い争いをしている気がするけれど、会社では上司と部下だ。無視もできない。
「……はい」
そっけない返事をしただけで、柚木くんはそれ以上何も言わなかった。
そのことには特に驚かない。“柚木くん”という社員は、それで普通だから。
でも──
エレベーターが到着して乗り込む。私達以外、乗客はいない。
閉じたドアを見つめている柚木くんに、私は思い切って再度声をかけた。
「どうしたの? どこか具合悪い?」
「え? なんですかいきなり」
「ん……だって、元気ないじゃない。朝からずっと」
他の人には多分わからない。でも私は彼といる時間が長くなったせいか、何となくわかった。
朝にボーッとしていたのもそうだけれど、それ以降も今日の柚木くんはどこかおかしい。
普段通りを装ってはいるけれど、心ここにあらず。仕事にも集中できていない感じがした。
決して気のせいじゃないと思うけど、返ってきたのは皮肉めいた声だった。
「俺はいつも通りだよ。ていうか美咲、会社でもそんなに俺のこと見てるんだ?」
いきなりプライベートの口調に変わって、二人きりの空間でも私は軽く焦る。
「……はい」
そっけない返事をしただけで、柚木くんはそれ以上何も言わなかった。
そのことには特に驚かない。“柚木くん”という社員は、それで普通だから。
でも──
エレベーターが到着して乗り込む。私達以外、乗客はいない。
閉じたドアを見つめている柚木くんに、私は思い切って再度声をかけた。
「どうしたの? どこか具合悪い?」
「え? なんですかいきなり」
「ん……だって、元気ないじゃない。朝からずっと」
他の人には多分わからない。でも私は彼といる時間が長くなったせいか、何となくわかった。
朝にボーッとしていたのもそうだけれど、それ以降も今日の柚木くんはどこかおかしい。
普段通りを装ってはいるけれど、心ここにあらず。仕事にも集中できていない感じがした。
決して気のせいじゃないと思うけど、返ってきたのは皮肉めいた声だった。
「俺はいつも通りだよ。ていうか美咲、会社でもそんなに俺のこと見てるんだ?」
いきなりプライベートの口調に変わって、二人きりの空間でも私は軽く焦る。