愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく

その間、蓮は一言も話さないが、手は繋いでいる。

1番奥の扉を開けた蓮は、私の肩を押して中に誘導し、後をついてくる。

部屋の中は、梱包されたダンボールの箱が山積みで、引っ越してきたばかりのようだ。

その中央には【KZ】の最高級のソファが場を占めている。

手を引いて、先にソファに腰を落とした蓮は、広げた足の間に座れと促してきた。

恐る恐る、蓮の太ももの上に腰を下ろすと、ぎゅーと抱きしめてくる。

私は、蓮の頭を胸に抱きしめた。

「悪かった。ごめん…不安にさせたか?」

「…うん、不安だった。私もごめんなさい」

「泣くなよ」

ホッとしたのか自然と涙が流れていた。

「泣くほど好きだもん」

涙を見た時は困惑顔だったのに、今は嬉しそうに私の涙を指先で拭っていた。

「菜穂が好き過ぎて、余裕のない自分にムカついてただけだ。連絡しなかったのは、頭を冷やす為だった。不安にさせてるなんて思わなくて、悪かったな」

好きって言ってくれたと舞い上がって、調子にのっていく。

「もう一度好きって言って」

「…帰してやれなくなる。いいのか?」

「ここに連れてきて帰す気あった?」

「なかったな」

クスリとお互い笑い、唇を重ねた。
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