愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
電話の向こうで、ドアが勢いよく閉まる音がしていた。
焦ってる、焦ってると、喜ぶ麗華。
「大学前よ」
プツリと切った麗華は、「さぁ、あいつが来るまでランチしよう」と、メニューを開いていく。
ランチを食べ終わる頃、大学前に、見覚えのある黒い車が止まった。
私のスマホが鳴りだし、麗華は、にこやかに車に向かって窓から手を振った。
私達に気がついた蓮は、車を止めて店内へ。
服装は普段着で、髪もボサボサだ。
「菜穂、話しよう」
「ストップ」
私の手をつかもうとする手を、麗華が止めた。
「なんだよ」
不機嫌に麗華を睨む蓮。
「お会計お願い」
「菜穂の分はともかく、お前の分もかよ」
「なに、嫌なの?助けてあげたのに⁈」
「…払えばいいんだろ」
「仲直りしてね」
「ケンカなんてしてない」
ハイハイと、蓮をあしらって、「樹さんに会いに行こう」と、帰っていった。
「午後の予定は?」
「…急ぎじゃないから、大丈夫」
本当は、表装用に掛軸を探しに行こうと思っていたのだが、ネットで検索すればいいかと考えを切り替えた。
「移動するぞ」
車で移動した場所は、家と大学の間くらいにある低層マンションだ。車を駐車し、階下にあるエレベーターで最上階の3階へ。