愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく

それも今日まで。

「蓮、遅いぞ」

「仕事だったんだ」

「誕生日ぐらい、早く切り上げてこいよ。ただでさえ、最近、ろくなことがなくて、こっちはむしゃくしゃしてるんだ。そんな友達を待たして仕事とかありえないだろ」

「それは悪かったな。最近、何があったんだ?」

「お前が競売にかけた車、一億払ったのに事故って一瞬でパーだ。見てみろよ。お前のせいでこの腕と、この鼻、骨折だ」

遼、飲み過ぎだと仲間が止めていたが、友達だと言うくせに自分勝手な遼の本音を聞けて、手加減などいらないようだと、鼻で笑った。

「大した怪我じゃないだろ。レーサーが個人的な趣味で改造してた車だ。俺は乗り越せなくてつまらないから競売にかけたんだ。それを
買ったのはお前で事故ったのもお前だ。俺のせいにするな」

お互い、睨みあう。

「悪かった。言い過ぎたよ。お前の誕生日なのに、八つ当たりした。忘れてくれるだろう?」

「俺に八つ当たりしたくなるなんて、いったい、何があった?」

遼の肩を抱き、グラスに酒を注いでいく。
よく聞いてくれたと、注いだ酒をグイッと飲んでいく遼。

仲間は、もう何回も聞かされた話だろう。俺に救いを求めて小さく頼むと祈っている。
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