愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく

「ンッ…フッ、フッ…」

鼻にかかった甘えた声が、俺の脳内を蕩かせる。

可愛い…

興奮している俺は、菜穂の体を抱きあげ壁に押しつけて、もっと深くまで口内を愛撫する。

やばい、止まらない。
布越しに腰を押しつけ、揺さぶる。

漏れる声をキスで飲み込んで、必死に応えようとしがみついて、キスに夢中になっていた菜穂は、突然、ぐったりとして肩に頭を乗せてきた。

だが、俺はまだ興奮冷めぬままでいる。耳朶やうなじ、首筋にキスをして、ゆっくりと鎮めていく。

興奮が鎮まって、菜穂の高揚する頬にキスをして、「可愛いかった」と囁いた。

冷静さが戻ったらしい菜穂は、恥ずかしさからか、地面に足をつけてうつむいているから頭を撫でてやる。

「バカ、信じられない」

酔いも覚めた菜穂は、普段の彼女に戻ってしまった。

「なんだよ」

「こんなところでキスするなんて、誰か来たらどうするつもりだったの?」

「キスだけだろ。やってたわけじゃないから、大丈夫だろ。気がつかないふりぐらいしてくれるさ」

「…」

やってなくても、擬似的にはやってただろうと、ジト目で見つめられて、「悪かったよ」
と、一応、謝っておく。
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