愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
「菜穂、卒業おめでとう」
「あっ、うん。ありがとう。素敵な花束だね。嬉しい」
「時間ないから、行こう」
「どこいくの?」
向かった先は、空港。
訳の分からないまま、VIPラウンジから、ファーストクラスの席へ。
「ねぇ、いい加減、教えてよ。私、明日からバイトあるんだよ」
4月から正式に採用される事が決まったが、それまではバイトとして働くつもりでいた。
「バイトは休みにしてある。今から香港だ」
「えっ、もう、勝手に決めないでよ。何しに行くの?」
「俺からの卒業祝いだ」
どうりで最近、休みもなく遅くまで仕事をしていて多忙なのだと思っていたが、休みを捻出する為だったようだ。だから、前にパスポートの場所を聞かれたのだと脳裏をよぎった。
「えっ、ありがとう。蓮と旅行に行けるなんて嬉しい」
「さっきまで怒ってたくせに、現金だな。必要な物は全部向こうで買うから心配するな」
「わかった」
香港を満喫した私達は、最後の夜をチャーターしたクルーザーで、ビクトリア・ハーバーの100万ドルの夜景を楽しんでいる。
20時になり、音と光のショーが開催される。
ショーも終盤になる頃、蓮が耳元で囁く。