愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
今日は、記念日なのにと、すっかりと忘れている彼を恨めしく思いながら片付けていくと、私のものでないものがあちこちから出てきて、ショックよりも諦めている自分がいた。
やっぱり…浮気しているんだと。
『今日、何の日か知ってる?』
『成人の日だろ』
付き合って1周年の記念日だと出かかったが、彼の口から違う言葉が出たらと思うと、怖くて何も言えなかった。
『片付け終わったんなら、いいだろう⁈』
私の様子などお構いなしで、背後から抱きしめ、うなじに唇を這わせながら、服の裾から手を入れてくる遼に、嫌悪感が走った。
『今日、生理なの』
『できないのかよ』
機嫌が悪くなり、ソファに戻って誰かと連絡しだす。
『…帰るね』
見向きもしない遼を残し、帰ったのだ。
労いもなければ、追いかけてもきてくれない遼。
私の心は、胸に穴が空いたようで、無力感がおきていた。
そんな時こそ、蓮との何気ないやりとりが、心を穏やかにしていった。
(仕事で海外に行ってくる)
(いってらっしゃい)
(お土産、何がいい?)
(無事に帰ってくればいいよ)
彼氏とのやり取りより、内容はこちらの方が恋人のようだ。