愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
『久しぶり』
『うん、久しぶり』
『西園寺さん、久しぶり』
『…去年のパーティーで会ったかしら⁈小鳥遊さんのお母様には母がいろいろとご迷惑をおかけしてます』
私には、わからない世界の住人の遼と麗華は、顔見知りなのかお互いに挨拶を交わしだした。
『こっちこそ、うちの母が迷惑かけてるようで。…相澤とは久しぶりだし、よかったら、合流しない?』
こうしてまともに会うのは卒業以来なので、私の気持ちとしては合流したい。
麗華と視線を合わせるが、麗華は首を横に振る。
『ごめんなさい。私、約束があって帰らないといけないの。菜穂は合流したら⁈』
『うん、そうする。またね』
『またね』
手を振った麗華は急いでいるようで、振り返ることもなかった。
私は、遼に体を向けて微笑む。
『お邪魔します』
『あーうん。行こうか』
集団に合流したが、遼は友人達との会話に夢中になっていて、昔のように側にいてくれない。私は、ひとりぼっちだった。
麗華もいないこの場はつまらなくて、遼に視線を向けても気づいてもらえず、仕方なく挨拶もせずに帰ろうと抜け出した。
だが、ほんのりと赤い顔で遼が会場の外まで追いかけてきた。
『帰るのか?』
『うん』
『帰るなよ』