愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく

『久しぶり』

『うん、久しぶり』

『西園寺さん、久しぶり』

『…去年のパーティーで会ったかしら⁈小鳥遊さんのお母様には母がいろいろとご迷惑をおかけしてます』

私には、わからない世界の住人の遼と麗華は、顔見知りなのかお互いに挨拶を交わしだした。

『こっちこそ、うちの母が迷惑かけてるようで。…相澤とは久しぶりだし、よかったら、合流しない?』

こうしてまともに会うのは卒業以来なので、私の気持ちとしては合流したい。

麗華と視線を合わせるが、麗華は首を横に振る。

『ごめんなさい。私、約束があって帰らないといけないの。菜穂は合流したら⁈』

『うん、そうする。またね』

『またね』

手を振った麗華は急いでいるようで、振り返ることもなかった。

私は、遼に体を向けて微笑む。

『お邪魔します』

『あーうん。行こうか』

集団に合流したが、遼は友人達との会話に夢中になっていて、昔のように側にいてくれない。私は、ひとりぼっちだった。

麗華もいないこの場はつまらなくて、遼に視線を向けても気づいてもらえず、仕方なく挨拶もせずに帰ろうと抜け出した。

だが、ほんのりと赤い顔で遼が会場の外まで追いかけてきた。

『帰るのか?』

『うん』

『帰るなよ』
< 3 / 73 >

この作品をシェア

pagetop