愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく
これは、なんなんだろう?
もう一度、今度は小さく手を振り門の奥へ入っていくと、しばらくして、車のドアが閉まる音と発車していく音が聞こえ、蓮が帰っていったのだと、足を進め玄関ドアを開けた。
家の中は真っ暗で、誰にも会わずに部屋に戻り、鏡に映る自分の顔に、苦笑していた。
酷い顔だ。
メイクが剥がれ、真っ赤な目に、赤くなっている鼻先。
こんな顔でいたのに、蓮は、表情に出さず、何も言わずにいてくれたのだと、彼の優しさに目が潤んだ。
首元で光るネックレスは、遼からのプレゼント。
気に入っていたけど、これはもう、つけることはないだろうとケースにしまい、添えられていたメッセージカードを指でなぞる。
(お誕生日おめでとう Rより)
あんなクズに恋した愚かな自分。誕生日も記念日も覚えていない男が、気まぐれでくれたプレゼントが惜しいのかは自分でもわからない。
ただ、わかるのは、祝いの言葉を添えたメッセージカードをくれた彼はもういないのだ。
そっと、引き出しの奥へ追いやった。
気持ちを切り替えるように、ふーと息を吐き、蓮からのプレゼントを開ける。
つい先程まで見ていた某ブランドと同じ。その中は、一粒ダイヤモンドのスタッドピアスだった。