愛が壊れた時、策略御曹司の罠に堕ちていく

「…折角の誕生日だったのに、私のせいで、ごめんね」

「謝るな、バカ女。お前のせいじゃないだろ」

少し乱暴に、頭をガシガシと揺さぶる蓮。

話を聞きたいだろうに、触れずにいてくれるのは、彼なりの優しさなのだろう。

「22歳の誕生日、おめでとう。一緒に迎えられて嬉しかった。菜穂のこれからはいい日が待ってるはずだ」

蓮からのお祝いの言葉に、目頭が熱くなる。

なぜ、この男は、こんなに私の心を揺さぶるのだろう。

「…ありがとう。蓮も23歳のお誕生日おめでとう。蓮の夢や願いが叶う素敵な一年になりますように」

「あぁ、そうなるはずだ。ありがとうな」

私の頭上をポンと撫でて笑う蓮。

「じゃあ、おやすみなさい」

「おやすみ」

車の中に戻ろうとしない蓮。

「帰らないの?」

「お前が家の中に入るまで見送ったら帰る」

今までなら、自分の方が見送る側だったのに、今日は私が傷ついていると知っているから、心配しているのだろうか?

「…わかった。じゃあね」

手を大袈裟にふり、門に向かう。

そして、門の前で振り返って見ると、蓮が手を振り、入れと促してきた。

心の中が、なぜか甘酸っぱくて口元が緩んでしまらない。
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