ハイエンドマリッジ~身も心も成熟したオトナの男に愛されて~
言っている傍から謝っていることに気づいたのか、今度こそ申し訳なさそうな顔で「今のはちゃんと悪いと思ってた」と弁解する。

思わずプッと吹き出してしまった。

生暖かい風がふわりと煙を巻き上げていく。

九月の中旬、日中はまだまだ蒸し暑さが残っているが、夜は過ごしやすくなってきた。あと一カ月もしたら、外に出るのに上着が必要になるだろう。

「風邪引くなよ」

私と同じことを考えたのか、ぶっきらぼうな労りの言葉をかけてくる。

「そちらこそ、です」

素直に心配してあげないあたり、私も大概だな、と思う。

「大事な母体になるんだろ?」

「……そうでした」

言われてみれば確かに、気をつけなきゃいけないのは私の方だった。

妊活はしているものの実感が湧かなくて、どこか夢物語のようだ。

私くらいの年齢だと仕事や恋愛に頭を悩ませる人は多い。でも結婚、妊娠のことまで具体的に考える人は、どれくらいいるのだろう。結構少ないのではないかと思う。

みんながこれから少しずつ向き合っていくはずの課題を、一気にまとめて経験したものだから、気持ちがまだ追いついていない。

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