神の愛

第1話 赤ちゃん現る

 「ん~、ねむ」

 朝、いつも通りにスマホに手を伸ばし、目覚まし機能を止める。スヌーズ機能を切っていなかったので何回も鳴る。本当に何回も鳴る。あまりにも煩いので途中で止めずに放り投げる。

 親父(おやじ)が買い、勝手に設定した目覚ましのアラーム音。職場で録音した警報音をスマホにダウンロードさせ、アラームに設定させられた音。警報音らしく、寝ていても起きさせるほどにその音は耳障りだ。

 寝室の開きっぱなしの扉の外側からバタバタと階下で誰かが走っている音が聞こえてくる。お袋あたりが朝食作りに勤しんでいるのだろう。そろそろ、起床しなければ、あと数分で起こしに来る頃だなと覚醒しきっていない頭で考える。

 毛布を足下へと寄せ、寝ぼけ眼のまま上半身を起こす。昨日の疲れがまだ取れていないのか、若干身体はだるいが、それでも昨日の夜の状態よりは幾分かマシになっている。頭部周辺の布団の上に放り投げたスマホを手に取るため、そちらに手を伸ばす。

 プニッとした柔らかい感触。お饅頭みたいにプニプニした触感。

 そこにあるはずのない触感に背筋が冷える。意識もそれを理解した途端、急速に覚醒した。急いで視線を『何か』がある方向に向けた。

「…………赤ちゃん?」

 そこにいたのは可愛らしい乳児だった。

< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop