神の愛
「色々、話を聞いてね、思ったのは高橋くんが君に子どもを預けるために市内に来ていたかもしれないってこと」

 だろうな、と藤倉さんの考えに言葉なく頷く。

「今は高橋くんの行方は分からない。携帯も繋がらない。住所にも住んでない。住所照会も住んでない住所のままだよ。現状だとお手上げ。ま、それでも、やれるだけはやるけどね」

 人の良い笑みを浮かべる藤倉さん。

 そこまでこの人が関わってくれる理由は何なんだろうと一瞬、考えたが、すぐに結論に辿り着く。

 善意と、親父の存在だ。

「余計なことだけどさ、一つ言っておくね、恵介くん」
「はい、?」

 認めたくない現状と二人の善人性に思考を取られていれば、目の前から聞こえてくる俺の名前を呼ぶ声。
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