神の愛
「その赤ちゃんって、名前は」
「報告書自体には子どもの名前は書いてなかったよ」
苦し紛れにようやく出すことができた問いに返ってきた返答は呆気ないものだった。
何で、俺は今、赤ちゃんの名前が分からなくて、安心したんだ?
「正直、ただの目撃者の子どもだったから戸籍がある子どもなのかなんて、担当した刑事は確認しなかったんだろうね。したところで、親戚の子どもって言われる可能性も高いから何とも言えないけれど」
「それもそうだな。普通にそのパターンも有り得はするからな」
「それは、そう、だけど」
「まあ、今回は高確率で親戚の子どものパターンじゃないだろうね」
緊張感のない二人の会話に胸を締め付けられる。二人に悪意がないのは分かっている。現状が大事おおごとだと分かっているうえで緊張感のない会話をしている、ということも分かる。
二人が、そういう事態に慣れている。いや、慣れさせてしまったという罪悪感に胸を締め付けられる。二人はそれにどういう不満も嫌な思いも持っていないから余計に胸が締め付けられる。
ただただ、善人なのだ、この二人は。
「報告書自体には子どもの名前は書いてなかったよ」
苦し紛れにようやく出すことができた問いに返ってきた返答は呆気ないものだった。
何で、俺は今、赤ちゃんの名前が分からなくて、安心したんだ?
「正直、ただの目撃者の子どもだったから戸籍がある子どもなのかなんて、担当した刑事は確認しなかったんだろうね。したところで、親戚の子どもって言われる可能性も高いから何とも言えないけれど」
「それもそうだな。普通にそのパターンも有り得はするからな」
「それは、そう、だけど」
「まあ、今回は高確率で親戚の子どものパターンじゃないだろうね」
緊張感のない二人の会話に胸を締め付けられる。二人に悪意がないのは分かっている。現状が大事おおごとだと分かっているうえで緊張感のない会話をしている、ということも分かる。
二人が、そういう事態に慣れている。いや、慣れさせてしまったという罪悪感に胸を締め付けられる。二人はそれにどういう不満も嫌な思いも持っていないから余計に胸が締め付けられる。
ただただ、善人なのだ、この二人は。