神の愛
 確かにそうなると、乳児をこの家に連れてくる容疑者は俺だけになる。でも当人の俺には子作りをした記憶はない。

「兄貴はねぇよ。黙ってろ、結芽」
「はいはい、分かったわよ、父さん」

 結芽の言葉に親父が顔を顰めながら反論する。

 まあ、確かに伯父さんが親父に内緒で子どもを拵えるイメージはないなと親父の言葉に頷く。

 腐っても伯父さんと親父は血の繋がった兄弟だ。特に親父は警察勤めだし、そんな弟に重要なことを言わないはずがない。多分。

 俺が赤ちゃんを抱きながら寝室のある二階から一階に下りれば、お袋は俺が抱っこしていた乳児に目を留めた。だが、その一瞬後にはどこから出してきたのか、ゆりかごを持ってきた。有り難い物だが、乳児を育てたことのない人間が何故、それを持っていたのかは分からない。

 さらにお袋は哺乳瓶やらよだれかけやら、乳児の育児には必要なものを次々と持ってくる。

 今、俺が使っている哺乳瓶とゆりかごはお袋が持ってきたものだ。一体、どこにこんなもん準備してた。仕事か? 弁護士の仕事でいつか使うことがあるかもと思って買ってたのか?
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