ふたつの時を、重ねていく【『ふたつの弧が、重なるとき』番外編】
「お前ら、同級生から騒がれただろ?」
中学時代はほぼ接点がなかったはずの二人が、ぴったり寄り添って地元に帰ってきたのだ。
驚かれないわけがない。
ましてや、ヨッシーは昔から一際目立つ存在だったのだろうし。
『……めちゃくちゃ質問攻めにされるし、ジロジロ見られる』
「ハハッ、だよな」
『で、なに? どうしたの』
ストレートに用件を聞かれ、ほんの数秒だけ口をつぐむ。
そして、努めてカラッとした声を投げた。
「祥太郎が福島から帰ってきたら、カラオケでオールするぞ!」
『……え。なんで』
「失恋したんだよっ! あ、お前のあの早とちりとは違って、ガチのやつな」
その言葉で、当時の情けない自分を思い出したのか、祥太郎は数秒間黙り込んだ。
『……別れたときは、結構あっさりしてなかった?』
おそらく、最近別れた他学部の子のことを思い浮かべているのだろう。
「ああ、あの子じゃなくて」
『?』
それ以上は詳しく語らない空気を察したのか、『いいけど、昼間にしようぜ』と小さく了承してくれた。