ふたつの時を、重ねていく【『ふたつの弧が、重なるとき』番外編/不定期更新中】
『――まもなく、〇〇に到着いたします。お出口は、右側です……』
大学の最寄り駅であり、彼の住む駅でもあるその名がアナウンスされると、私の胸は高鳴った。
ガタンゴトンと揺れながら、電車の速度が落ちていく。
あらかじめ伝えておいた車両のドアが開くと、ホームにいる祥ちゃんの姿が見えた。
私を見つけてはにかむ彼に、自然と顔が綻んでしまう。
「……おはよ」
秋風を連れて乗り込んできた彼が、私の隣にそっと座った。
「……おはようっ」
今日は、付き合ってから初めてデートする。
文化祭直前の平日。二人ともたまたま授業がなく、バイトは夕方からという絶好のタイミングだった。
迷いに迷った末、行き先は数駅奥にある繁華街の裏手、小さな映画館にした。
「晴れてよかったな」
「……うん!」
恋人になった彼の声を聞いたら、思わず抱きつきたくなってしまい、慌てて少しうつむきながら返事をする。
彼が着ている、今の季節にぴったり合うダークブラウンのシャツが、ずっと視界の端に映っていた。
大学の最寄り駅であり、彼の住む駅でもあるその名がアナウンスされると、私の胸は高鳴った。
ガタンゴトンと揺れながら、電車の速度が落ちていく。
あらかじめ伝えておいた車両のドアが開くと、ホームにいる祥ちゃんの姿が見えた。
私を見つけてはにかむ彼に、自然と顔が綻んでしまう。
「……おはよ」
秋風を連れて乗り込んできた彼が、私の隣にそっと座った。
「……おはようっ」
今日は、付き合ってから初めてデートする。
文化祭直前の平日。二人ともたまたま授業がなく、バイトは夕方からという絶好のタイミングだった。
迷いに迷った末、行き先は数駅奥にある繁華街の裏手、小さな映画館にした。
「晴れてよかったな」
「……うん!」
恋人になった彼の声を聞いたら、思わず抱きつきたくなってしまい、慌てて少しうつむきながら返事をする。
彼が着ている、今の季節にぴったり合うダークブラウンのシャツが、ずっと視界の端に映っていた。