似た者同士の契約婚 ~結婚しないと宣言した日に出会った相手は、不眠の心臓外科医でした~
けれど、何年も付き合っていくうちに二人の関係には変化が現れた。
『美空のやり方は効率が悪いよ』
『もう少しプライベートの時間も大事にしろよ』
『……仕事中にお前見えると萎えるわ。もう少し痩せたら?』
仕事でしか顔を会わせない彼は、だんだんと美空に対する扱いが雑になっていった。
それも仕方がないことだ。インストラクターとしての仕事柄、二人の休みが合うことはほとんどなく、何の進展もないまま気がつけば時間だけがたっていたのだから。
(恋人らしいデートなんて、最初の数回だけだったわね)
美空自身も洋介の変化をあまり気にしていなかった。気にする余裕がなかったのだ。
御曹司の息子と付き合っているという理由で同僚からは遠巻きにされており、仕事の連携が取りにくい環境にいた上、休日返上で指導の準備や体格維持のトレーニングに励むのに必死だったから。
(仕事が出来ないのを洋介のせいにされたくない。私のせいで洋介の評判を落としたくない)
けれどそれによって洋介との距離がますます開いていったのだから、美空はどうすればいいのか分からなくなっていった。
だからこそ洋介の浮気現場を見てしまった時、美空は驚きもしなかった。
『明日休みだろ? 久々に映画でも行くか』
珍しく洋介から連絡が来た美空は、少しだけ心を躍らせていた。
洋介が好きだと言ってくれた服を着て、メイクにも気合いをいれる。
そうして待ち合わせ場所で待っていたのだが、時間になっても洋介は現れなかった。
『少し遅れる。時間潰してて』
洋介からメッセージを受け取った美空は近くの雑貨店で時間を潰していた。
しかし、そこに洋介がいたのだ。後輩の女性とともに。
『美空先輩はいいんですか? もうデートの時間なんでしょー?』
『まーなー。直前になったらやっぱり怠くなって……って、美空!?』
楽しそうにおしゃべりしてる二人と鉢合わせた美空は、スッと心が冷えきっていくのを感じた。
『どうも。洋介すごく忙しそうね。今日の予定はキャンセルしましょう。それに、私たちの関係も終わりにしましょう。さようなら』
美空は微笑んでそれだけ伝えると、その場をあとにしたのだった。
(お互い別れるきっかけがないまま、ズルズルと過ごしていたんだもの。良い機会だったのよ)
『美空のやり方は効率が悪いよ』
『もう少しプライベートの時間も大事にしろよ』
『……仕事中にお前見えると萎えるわ。もう少し痩せたら?』
仕事でしか顔を会わせない彼は、だんだんと美空に対する扱いが雑になっていった。
それも仕方がないことだ。インストラクターとしての仕事柄、二人の休みが合うことはほとんどなく、何の進展もないまま気がつけば時間だけがたっていたのだから。
(恋人らしいデートなんて、最初の数回だけだったわね)
美空自身も洋介の変化をあまり気にしていなかった。気にする余裕がなかったのだ。
御曹司の息子と付き合っているという理由で同僚からは遠巻きにされており、仕事の連携が取りにくい環境にいた上、休日返上で指導の準備や体格維持のトレーニングに励むのに必死だったから。
(仕事が出来ないのを洋介のせいにされたくない。私のせいで洋介の評判を落としたくない)
けれどそれによって洋介との距離がますます開いていったのだから、美空はどうすればいいのか分からなくなっていった。
だからこそ洋介の浮気現場を見てしまった時、美空は驚きもしなかった。
『明日休みだろ? 久々に映画でも行くか』
珍しく洋介から連絡が来た美空は、少しだけ心を躍らせていた。
洋介が好きだと言ってくれた服を着て、メイクにも気合いをいれる。
そうして待ち合わせ場所で待っていたのだが、時間になっても洋介は現れなかった。
『少し遅れる。時間潰してて』
洋介からメッセージを受け取った美空は近くの雑貨店で時間を潰していた。
しかし、そこに洋介がいたのだ。後輩の女性とともに。
『美空先輩はいいんですか? もうデートの時間なんでしょー?』
『まーなー。直前になったらやっぱり怠くなって……って、美空!?』
楽しそうにおしゃべりしてる二人と鉢合わせた美空は、スッと心が冷えきっていくのを感じた。
『どうも。洋介すごく忙しそうね。今日の予定はキャンセルしましょう。それに、私たちの関係も終わりにしましょう。さようなら』
美空は微笑んでそれだけ伝えると、その場をあとにしたのだった。
(お互い別れるきっかけがないまま、ズルズルと過ごしていたんだもの。良い機会だったのよ)