似た者同士の契約婚 ~結婚しないと宣言した日に出会った相手は、不眠の心臓外科医でした~
美空が作ったのは、「あさりと野菜を使った白ワイン蒸し」と「海老グラタン」、「豚バラとアスパラの塩レモン炒め」だった。
どれもあまり作ったことがない料理ばかり。
(事前に練習してから、優斗さんに食べてもらうべきだったかも)
後悔がよぎるがもう遅い。優斗はテーブルの上の料理に目が釘付けだ。
「全部作ったのか? すごいな。店みたいだ」
「あ、あんまり期待しないでください。味ちょっと薄いかも」
「ははは、その方が健康的だ。食べてもいいか?」
「はい」
二人で手を合わせて食べ始める。
美空は優斗が料理を運ぶのを見つめた。
「ん、美味い。あさりとか久しぶりに食べた」
「私も久しぶりに買いました。バターとよく合いますね」
食べ進めていくうちに、ふと優斗がこちらを見た。何かを思案してるような表情をしている。
思わず見つめ返すと、ふっと微笑まれた。
「もしかして、今日の料理って何かコンセプトがある? 食材とかメニューの組み合わせが珍しいから気になって」
優斗の瞳が興味深そうに細められる。
美空は内心舌を巻いた。
「あ、えっと……疲労回復と安眠しやすいっていう食材を使ってみようかと。……分かります?」
美空は正直に白状した。
優斗の睡眠不足が少しでも改善するように、と考えていたことの一つだった。
(勝手なことをして気分を悪くさせてしまったかしら)
優斗が何でも喜んでくれるから、調子に乗ってしまった。
急に申し訳なくなっておずおずと優斗の表情をうかがうと、彼は面白そうにクスクスと笑っていた。
「なるほど、安眠か。それって俺のためだって自惚れても良い?」
「は、はい……」
あまりにも甘く優しい表情で尋ねられて、美空はコクコクと頷くしかなかった。
「良かった。ちなみにどの食材がどんな効果なんだ?」
「えっと、あさりは鎮静作用のあるマグネシウムが豊富ですし、海老のグリシンは深部体温を下げて快眠効果があるそうなんです。それに……って、私、お医者様に向かって何言ってるんでしょう!?」
すると優斗は噴き出しそうになるのを堪えていた。
「はははっ、俺が聞いたんだから気にしないで。すごく調べてくれたのが嬉しいなって思ったんだ。それに、医者だからってそこまで栄養に詳しい訳じゃないよ。どんな作用があるかは何となく分かるけど、それが多く含まれる食材とかはそこまで知らないし」
「そ、そういうものですか?」
「そういうもの。ははは」
「もう……あんまり笑わないでください。あんまり笑ってると、優斗さんのデザートも食べてしまいますからね!」
「待って。デザートあるなら謝る」
急に優斗が真顔になって美空をじっと見つめるので、今度は美空が噴き出しそうになってしまう。
抗議するように優斗を見つめると、彼は柔らかく微笑むのだった。
その後、二人でバナナのパンケーキを食べながらノンカフェインのコーヒーを楽しんだ。
片付けは優斗が申し出てくれたので、二人並んで食器を片付ける。
「ごちそうさま。本当に全部美味かった。それで、今日もレッスンをしてくれる?」
「今日もって……良いんですか?」
「良いも何も、こっちがお願いしてるんだけど」
優斗の言葉にじわじわと嬉しさがこみ上がってくる。
美空は隣で急いで食器を棚にしまい、優斗の腕を引いた。
「やりましょう! ストレッチ!!」
どれもあまり作ったことがない料理ばかり。
(事前に練習してから、優斗さんに食べてもらうべきだったかも)
後悔がよぎるがもう遅い。優斗はテーブルの上の料理に目が釘付けだ。
「全部作ったのか? すごいな。店みたいだ」
「あ、あんまり期待しないでください。味ちょっと薄いかも」
「ははは、その方が健康的だ。食べてもいいか?」
「はい」
二人で手を合わせて食べ始める。
美空は優斗が料理を運ぶのを見つめた。
「ん、美味い。あさりとか久しぶりに食べた」
「私も久しぶりに買いました。バターとよく合いますね」
食べ進めていくうちに、ふと優斗がこちらを見た。何かを思案してるような表情をしている。
思わず見つめ返すと、ふっと微笑まれた。
「もしかして、今日の料理って何かコンセプトがある? 食材とかメニューの組み合わせが珍しいから気になって」
優斗の瞳が興味深そうに細められる。
美空は内心舌を巻いた。
「あ、えっと……疲労回復と安眠しやすいっていう食材を使ってみようかと。……分かります?」
美空は正直に白状した。
優斗の睡眠不足が少しでも改善するように、と考えていたことの一つだった。
(勝手なことをして気分を悪くさせてしまったかしら)
優斗が何でも喜んでくれるから、調子に乗ってしまった。
急に申し訳なくなっておずおずと優斗の表情をうかがうと、彼は面白そうにクスクスと笑っていた。
「なるほど、安眠か。それって俺のためだって自惚れても良い?」
「は、はい……」
あまりにも甘く優しい表情で尋ねられて、美空はコクコクと頷くしかなかった。
「良かった。ちなみにどの食材がどんな効果なんだ?」
「えっと、あさりは鎮静作用のあるマグネシウムが豊富ですし、海老のグリシンは深部体温を下げて快眠効果があるそうなんです。それに……って、私、お医者様に向かって何言ってるんでしょう!?」
すると優斗は噴き出しそうになるのを堪えていた。
「はははっ、俺が聞いたんだから気にしないで。すごく調べてくれたのが嬉しいなって思ったんだ。それに、医者だからってそこまで栄養に詳しい訳じゃないよ。どんな作用があるかは何となく分かるけど、それが多く含まれる食材とかはそこまで知らないし」
「そ、そういうものですか?」
「そういうもの。ははは」
「もう……あんまり笑わないでください。あんまり笑ってると、優斗さんのデザートも食べてしまいますからね!」
「待って。デザートあるなら謝る」
急に優斗が真顔になって美空をじっと見つめるので、今度は美空が噴き出しそうになってしまう。
抗議するように優斗を見つめると、彼は柔らかく微笑むのだった。
その後、二人でバナナのパンケーキを食べながらノンカフェインのコーヒーを楽しんだ。
片付けは優斗が申し出てくれたので、二人並んで食器を片付ける。
「ごちそうさま。本当に全部美味かった。それで、今日もレッスンをしてくれる?」
「今日もって……良いんですか?」
「良いも何も、こっちがお願いしてるんだけど」
優斗の言葉にじわじわと嬉しさがこみ上がってくる。
美空は隣で急いで食器を棚にしまい、優斗の腕を引いた。
「やりましょう! ストレッチ!!」