あなたに触れたい
私はエレベーターの前で佇んでいた。
気になるーー
このまま帰ってはいけない気がした。
私はもう1度、結城さんの元へ向かう。
結城さんは頭をパソコンの前で抱えて下を向いていた。
「まったく、俺はとんだ勘違い野郎だ」
そう言っている声がはっきりと聞こえた。
期待してしまう自分がいる。
私は結城さんに近づいた。
「結城さん」
私の声に結城さんは驚いて顔を上げた。
「な、なんですか。帰るように言いましたが」
「私も答えたので結城さんにも答えてほしいんです」
心臓がバクバクと波打つ。
「なんですか?」
「なんで、そんな顔してるんですか?」
「なんの話です?」
「うぬぼれかもしれませんが」
声が小さくなっていく。
私はいったい今から何を言おうとしてるんだーー
「私が触った時、顔が赤くなってました」
「それは……くすぐったかっただけで」
「じゃ、じゃあ……なんで今」
私はちらっと結城さんを見る。
「そんな表情しているんですか」
結城さんは黙ったまま私を見つめた。
「なんだか傷ついたような表情している気が……します」
結城さんの顔はみるみる赤くなっていった。
私は自分で言っていることが恥ずかしくなり逃げ出したくなった。
「ごめんなさい! 私の勘違いーー」
「違う!」
「え?」
「勘違いじゃない……です」
結城さんは耳まで真っ赤だ。
「勘違いしていたのは俺なんだ」
「それは、どういう……」
すると結城さんは大きなため息をつく。
「キミが俺に気があるじゃないかと思ってたんだ」
「え?」
「実は昨日、キミが取り残されて寝ていたのは知っていた」
「うそ……」
「すまない。2人きりになるチャンスだと思ったんだ」
結城さんは私の目を潤んだ瞳で見つめる。
「俺はここに配属された時、キミにその……一目ぼれしてたんだ」
まさかの告白に私は思考が停止した。
結城さんがそっぽを向く。
「だから2人きりになって誘おうと思ったんだ。そしたらキミが起きて俺に近づいて来たから寝たふりをして……それでなぜか、近づいて来たから勘違いして。ま、まさか血管触りたかっただけなんて」
私が黙っていると結城さんがチラ見してきて、ムッとした表情を浮かべる。
「あなたは、そういう癖(へき)なんですか?」
なんだか急に怒られ、私もようやく声が出る。
「違います! べ、別に誰でもかんでもいいってわけじゃ」
「え?」
「誰の血管でもいいってわけじゃありません!」
今度は私が顔を赤くする番だった。
「それって……俺のだけってこと?」
「た、たぶん」
結城さんの視線に耐えきれなくなり、目線を外す。
椅子のきしむ音がして結城さんが立ち上がったのが、わかった。
私は思わず彼を見つめる。
結城さんは私の頬に手を近づけた。
「触って良いですか」
「……はい」
頬に触れられ恥ずかしくて目線の下げると彼の腕が見え、血管がくっきりと浮き出ていて、震える。
「怖い?」
「怖くないです」
「顔上げて」
私はゆっくりと結城さんを見つめる。
「好きだ」
「私も好きです」
「血管じゃなくて?」
結城さんが片方の唇を上げて言う。
「結城さんの血管も好きです」
次の瞬間、どちらともなく唇が重なった。
結城さんは両手で私の顔を包み激しくキスをする。
丁寧語で話す彼からは想像も出来ないほど熱いキスで私は倒れそうになり、思わず彼の腕を掴んだ。
その際に血管に触れた気がして思わず手を滑らすと結城さんも口から甘い声が漏れた。
気になるーー
このまま帰ってはいけない気がした。
私はもう1度、結城さんの元へ向かう。
結城さんは頭をパソコンの前で抱えて下を向いていた。
「まったく、俺はとんだ勘違い野郎だ」
そう言っている声がはっきりと聞こえた。
期待してしまう自分がいる。
私は結城さんに近づいた。
「結城さん」
私の声に結城さんは驚いて顔を上げた。
「な、なんですか。帰るように言いましたが」
「私も答えたので結城さんにも答えてほしいんです」
心臓がバクバクと波打つ。
「なんですか?」
「なんで、そんな顔してるんですか?」
「なんの話です?」
「うぬぼれかもしれませんが」
声が小さくなっていく。
私はいったい今から何を言おうとしてるんだーー
「私が触った時、顔が赤くなってました」
「それは……くすぐったかっただけで」
「じゃ、じゃあ……なんで今」
私はちらっと結城さんを見る。
「そんな表情しているんですか」
結城さんは黙ったまま私を見つめた。
「なんだか傷ついたような表情している気が……します」
結城さんの顔はみるみる赤くなっていった。
私は自分で言っていることが恥ずかしくなり逃げ出したくなった。
「ごめんなさい! 私の勘違いーー」
「違う!」
「え?」
「勘違いじゃない……です」
結城さんは耳まで真っ赤だ。
「勘違いしていたのは俺なんだ」
「それは、どういう……」
すると結城さんは大きなため息をつく。
「キミが俺に気があるじゃないかと思ってたんだ」
「え?」
「実は昨日、キミが取り残されて寝ていたのは知っていた」
「うそ……」
「すまない。2人きりになるチャンスだと思ったんだ」
結城さんは私の目を潤んだ瞳で見つめる。
「俺はここに配属された時、キミにその……一目ぼれしてたんだ」
まさかの告白に私は思考が停止した。
結城さんがそっぽを向く。
「だから2人きりになって誘おうと思ったんだ。そしたらキミが起きて俺に近づいて来たから寝たふりをして……それでなぜか、近づいて来たから勘違いして。ま、まさか血管触りたかっただけなんて」
私が黙っていると結城さんがチラ見してきて、ムッとした表情を浮かべる。
「あなたは、そういう癖(へき)なんですか?」
なんだか急に怒られ、私もようやく声が出る。
「違います! べ、別に誰でもかんでもいいってわけじゃ」
「え?」
「誰の血管でもいいってわけじゃありません!」
今度は私が顔を赤くする番だった。
「それって……俺のだけってこと?」
「た、たぶん」
結城さんの視線に耐えきれなくなり、目線を外す。
椅子のきしむ音がして結城さんが立ち上がったのが、わかった。
私は思わず彼を見つめる。
結城さんは私の頬に手を近づけた。
「触って良いですか」
「……はい」
頬に触れられ恥ずかしくて目線の下げると彼の腕が見え、血管がくっきりと浮き出ていて、震える。
「怖い?」
「怖くないです」
「顔上げて」
私はゆっくりと結城さんを見つめる。
「好きだ」
「私も好きです」
「血管じゃなくて?」
結城さんが片方の唇を上げて言う。
「結城さんの血管も好きです」
次の瞬間、どちらともなく唇が重なった。
結城さんは両手で私の顔を包み激しくキスをする。
丁寧語で話す彼からは想像も出来ないほど熱いキスで私は倒れそうになり、思わず彼の腕を掴んだ。
その際に血管に触れた気がして思わず手を滑らすと結城さんも口から甘い声が漏れた。

