ちぃちゃんの絆創膏
 ちぃちゃんは、緩和ケアに入るのに、予約しているから、すぐに入れると言っていた。
 それを、あたしの訪問看護師さんに聞いてみた。
 「予約…?
緩和ケアで予約は、すぐ入りたいけど、入れない人のことよ?
そんな、明日から入ります。いいですよ。なんて事ないから。
すぐ入れるって言った?」
 あたしが頷くと、訪問看護師さんは、うーん…。と言った顔…。
 「そんなことないんだけどなぁ…。
一応、病棟だから。
入院に予約して、何ヶ月後か先の予約って一般病棟じゃやってないでしょ?
緩和ケアも人気だから、空いてたら入れる。って感じよ?
行けばすぐに入れるなんて事ないし、転移していることも、医者から患者に伝えなきゃいけないの。
全部説明してから、入るか、入らないか、決めてもらうの。
勝手に入れるもんじゃないのよ。」
「でも、先生が予約取りましたから、いつでもすぐに入れます。って言ったって言ってたよ?」
「そんなの聞いた事ないわ。」
 緩和ケアのことがいまいち分からず、医者に電話しようとしたくらいだった。
 そんな、ちぃちゃんが、うちに泊まりに来た。
 そして、夜中、乾電池を入れた入れ物に、ちぃちゃんは気づかず蹴った。
 ちぃちゃんは、だいぶ、痛い!と言っていた。
 うちから1番近いコンビニもタクシーを利用するくらい。
 足の痛みに加え、癌の痛みも出てきたみたいで、痛みに耐え抜く日々の始まりかと、腹を括ったけど、痛みを訴えるのは、バラバラだった。
 ちぃちゃんは、痛い!と言いながら、病院には行かない…。
 やっと、乾電池のことで病院行ったら、骨折していたらしく、骨折が治りかけていると言われた。
 痛みに耐えすぎ!とあたしは思った。
 初めは、骨折してるとこを守るため、無理をしていて、炎症が起こっていると言われ、腰も同じと言われた。
 だけど、よく検査したら、それも癌だったと言われた。
 骨にまで癌が広がってるってこと…?
 のたうち回るほどの痛みがなくて…?
 入院もなく?
 1人暮らし…?
 あたしの頭の中で、ダメなことが浮かんでくる…。
 まっちゃんに相手してもらうのに、命懸けの嘘を付いてる…。
 まっちゃんとは、13年以上ちぃちゃんが思っている人。
 仕事、ホスト。
 もし、そのホストに自分のこと、見て欲しいからって理由で、嘘を付いていたら…?
 振り向いてほしくて、嘘ついていたら…?
 あたしの頭の中は、そのことでいっぱいになってきた…。
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