やめて先輩、私の平穏返してよ!
―なんか、一気に静かになっちゃった。

先生も、怪我の子の手当とかで忙しそうに外と保健室行ったり来たりしてるし。



あ、また扉の開く音。

…あれ?

足音がこっちに近づいてくる。



さっきの優佳と違って、優しく揺れるようにカーテンが開かれる。


「!輝先輩。」

「…あ、起きてた。」

「はい。結構前に。」

「そう。

…赤み、だいぶ引いたな。」


あ、その確認?

律儀なの?


「あ、運んでくれて、おまけにスポーツドリンクまで、ありがとうございます。」

「別に、俺がしたくてしたんだし?」

「…でもさすがに申し訳ないんで今度お礼…。」

「…いや、別にいらないけど。」


…いや、さすがに。

許されないというか。

なんか…。


「…。」


私が黙って悶々としてると「じゃあ」と輝先輩が口を開いた。



なに?

じゃあ…?


「もっと自分の体調管理しろ、菜々葉。」

「へっ?!」


先輩がいたずらっぽく少し笑ってから


「お大事に、スポーツドリンクちゃんと飲めよ。」


と言って去っていった。



じゃあとは?

お礼にならないし!

あ、タオルも返してない。



何より、


「なんで、菜々葉って…。」


やっぱり、今日の先輩はヘンだ。
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