御曹司社長は恋に臆病な契約妻を極上の愛で囲う
 その姿を見た途端、小夜莉は全身をカッと熱くしながら雅人の胸に飛び込む。雅人は優しく小夜莉を抱きあげると、寝室の扉をそっと開いた。
 初めて入る雅人の部屋は、ほのかにいつものホワイトムスクの香りが漂っている。キングサイズのベッドのみが置かれたシンプルな部屋は、小夜莉のドキドキする気持ちをさらに高鳴らせた。
 雅人は優しく小夜莉をベッドに横たえると、そっと顔を覗き込む。

「怖くないか?」

 低い声がいつもより熱っぽく聞こえ、小夜莉はさらに気持ちを昂らせながらこくりとうなずいた。

「雅人さんだから、平気です」

 小夜莉の声が響き、雅人の指先がそっと頬を撫でる。ふたりは視線を絡ませるように見つめあうと、そのまま引かれるように唇を重ねた。触れるだけの軽いキス。でもそのキスは小夜莉の身体を熱くさせる。
 しばらくして唇を離した雅人が、熱い息を吐きながら小夜莉の顔を覗き込んだ。

「小夜莉、今すぐ君を抱きたい」

 その言葉を聞いた瞬間、小夜莉は全身で幸せを抱きしめた。男性恐怖症になり、自分には一生恋愛はできないのだと思っていた。男性を好きになることなんて、できないと思っていた。
 でも雅人と出会い、初めてひとを愛することを知った。そして愛されること、触れられる喜びを知ったのだ。

「私もそれを望んでいます」

 小夜莉は瞳を潤ませながら応える。
 雅人はそんな小夜莉を力いっぱい抱きしめると、さっきの何倍も深いキスを小夜莉に降らす。ふたりは何度もお互いを求めた。
 そして小夜莉は雅人の愛情を全身に受けながら、まるで幸せに溺れるように、深く悦びに浸っていったのだ。
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