傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
 彼女がなにかを口にする前に恋人であることを認めさせ、鍵を出すように告げる。
 水嶋さんは俺に言われるがまま部屋の鍵を出してくれた。それを彼女の兄に渡し、にっこりと微笑む。

「どうぞ、そちらの部屋は二人でお使いください。三人だと手狭になるでしょうから、彼女は俺の家に上がってもらいます。……いいよね、葉月」

 そうして気付けば彼女を部屋に招いていた。

 勢いで呼んでしまった罪悪感と後悔。
 そして、あまりにも無防備についてきてしまう彼女が心配になる。

 もちろん、なにかをするつもりはなかったけれど。
 彼女があまりにも俺の前で普通にしていることが少しだけ許せなくて、つい言ってしまった。

「自ら言い出しておいてお説教するのも心苦しいですが……簡単に男の部屋に入るのは駄目ですよ」

「一応、危機感だけは持っておいてくださいね、って意味です」

 男性が苦手だという彼女が、部屋に上がるまでになったのだ。
 彼女の中で俺は完全に他の男とは一線を画し、特別枠に入れてもらえている自信がある。

 それだけの信頼を積んだと言ってもいい。
 だけど、男として思われないのは違う。
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