傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「そう? 俺はちょっと役得かもな、って思ってるけど」
「役得……?」
「こうして水嶋さんとちょっとしたドライブができたから」

 そう伝えたときの、彼女の表情を忘れられない。
 驚きのあまり目を見開き、それから困惑と恥ずかしさがない混ぜになったような顔だった。



 それからなんとか仕事を終えてマンションまで戻ってきた俺は、彼女にトラウマを植え付けたという男を見て、怒りで我を忘れそうになった。

 彼女がどんくさい?
 誰にも相手にされない?
 俺がもらってやろうか、だって……?

 水嶋さんに対する評価があまりにも実際の彼女と違っていて怒りが湧く。

 俺よりもしっかりしているし、男性が苦手であるが故に態度が素っ気ないと社内で怖がられてはいるけれど、美人だと言われているのを耳にしている。
 少なくとも彼女を罵倒し、傷付け、トラウマを植え付けるような人に、水嶋さんを差し出すような真似はできない。

 気付けば体が勝手に動いていて、彼女の肩を抱き寄せていた。

「……駄目ですよ。葉月さんは、俺の彼女なんですから」
「……へ?」

 驚きに染まる彼女の声。
 だけど、ここは強引に押し通させてもらうことにした。

「は? でもさっき会社の同僚って……」
「ね? そうだよね? 葉月」

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