傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「なんで……」

 もはや、兄からのメッセージが遅すぎるほどである。
 私の部屋の前にはなぜか剛人がいた。

「やっと帰ってきた」

 悪魔のような囁き声だ。
 剛人が私を見るなりゆっくりと近付いてくる。
 恐ろしくなって逃げようとするも足が動かなかった。

「お前、頑なに俺に連絡先教えてくれねぇし、伊月経由でも教えんなって言ってんだろ?」

 ぐいっと強く腕を掴まれて、剛人と密着する。恐ろしさで、震えが止まらなかった。

「いい加減、俺にも連絡先教えろよ」
「……ゃ、」
「なに? 聞こえない。ってか、そんな怯えんなよ。昔から、一緒に遊んでやっただろ」

 そんな記憶は一切ない。剛人は私をからかって楽しんでいたかもしれないけれど、私はちっとも楽しいと思えなかった。

「痛い……離してっ」
「家に入れてくれたら離してやる」
「……絶対に嫌」
「なんでだよ。ってか、マジでこの前の男と付き合ってんの?」

 鋭い声が飛んできて、何も答えられずに俯く。すると強い力で体を引っ張られ、壁に押し付けられた。
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