傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
 彼は私と噂されていることを知らないのだろうか。
 概ね、噂されているのは私のことだけれど、彼の名前も出ている以上、片瀬さんにその嫌な気持ちを伝播させたくない。
 もし何も知らないのであればこのままで……と思ったけれど、彼は教えろと言わんばかり私をじっと見た。

「その、会社で噂されていて……」
「あぁ、俺と水嶋さんのことか」

 片瀬さんも知っていたのか、なんだそんなこと、と彼の手が離れていく。
 いたずらっ子のように笑うと、「そんなのは言わせておけばいいんですよ」と、からりとした声で彼が言った。

「でも、変な噂を立てられるのはよくないかと思いまして……」
「どうしてですか? 俺は水嶋さんのことが好きですし、そのままでもいいなかな、と思っていますが」
「へっ……?」
「アハハ、驚いた顔してる。水嶋さん、ちょっと鈍いところがありますよね」
「えっ、と、じゃあ、さっきのも……?」

 剛人が来たとき、彼は私のことを好きだと言っていた。
 てっきり私を守るための嘘だと思っていたけれど、本当ってこと……?

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