傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「嬉しい……! 私も透さんのご家族に会いたい」
「そしたら夏に一緒に帰る? さすがに早いかな?」

 そんなことを言って、彼が私の唇にキスをする。その温もりが甘くて、優しくて、私からも背伸びをして彼の唇に口づけた。

「心の準備、しっかりしていかなきゃ」
「大丈夫だよ。俺もいるしね」

 もう一度、唇が降ってきて、今度は下唇を柔く食まれる。
 それが合図かのようにキスが深くなっていって、気付けば靴を脱ぎ捨てていた。

「ねぇ、葉月。そろそろ一緒の部屋に住まない?」
「……もうほとんど一緒に住んでいるようなものじゃない」
「そうだけどダメ。そこの壁すら惜しいから」

 少しの時間も離れていたくないと彼が言って、私の左手を優しく握り、人差し指にキスを落とす。

 案外、彼と同じ部屋で過ごす日も遠くないのかもなぁ、なんて幸せな未来を想像して、私はキスを落とされた左手薬指を見つめた。




< 172 / 172 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:6

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

食事のたびに目が合うイケメン営業課長は、どうやら食べることが好きらしい(?)

総文字数/9,427

恋愛(純愛)18ページ

超短編!フェチから始まる溺愛コンテストエントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
小南 真冬(こなみ まふゆ)……28歳 暁商事の資材調達部で働くOL。 ランチ時にはビルの三階にあるレストランでご飯を食べている。 だけど、あるときから同じく暁商事で働く初瀬課長から視線を感じるようになる。 ♡ ♡ ♡ 初瀬 慎(はつせ しん)……33歳 暁商事の営業部で働くイケメン課長。 真冬の食べるところを見るのが好き、らしいが……?
御曹司の契約妻が本物の妻として愛されるまで

総文字数/71,590

恋愛(純愛)139ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
星名千尋(ほしなちひろ)……25歳 都内で働くOL。 実家は東北の片田舎にある精密医療機器を製造する町工場を営んでいる。 町工場の経営がよくないことは知っており、社会人になってからは本業のみならずアルバイトまでして実家に仕送りをしていた千尋。 しかしこの冬、いよいよ会社の経営が立ち行かなくなったと知り、意気消沈していたところで蓮と出会い、縁談の末、契約結婚することになる。 ♡ ♡ ♡ 九条蓮(くじょうれん)……30歳 九条グループの御曹司。 両親と兄がおり、兄は既に結婚して家業を継いでいる。 弟である蓮は実家に縛られるのが嫌で、早々に家を出て精密医療機器の会社を経営している。 弟ではあるものの九条グループの御曹司であることから、見合い話が尽きず困っていたところで千尋と出会い、契約結婚を申し出る。
二次元彼氏がいるのでリアルな恋は遠慮します

総文字数/30,285

恋愛(純愛)60ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
芳野菖蒲(よしのあやめ)……28歳 二次元キャラが恋人! 乙女ゲームをこよなく愛するOLで生粋のオタク。 過去に彼氏がいたものの、 相手を顔で選んだ&あまりにも寡黙すぎる男性だったため、 そのまま恋人らしいこともできずに自然消滅した経験を持つ。 以来、何を考えているのかよく分からない寡黙系クール男子は苦手で、現実の恋愛にも消極的。 そんな、二次元彼氏最高!と思っている菖蒲だったが、 飲み会後に終電で帰宅中、電車の中で眠ってしまう。 ふと目覚めると、そこは知らない駅。 おまけに、隣にはなぜか会社の後輩、桐島奏斗がいて――。 ♡ ♡ ♡ 桐島奏斗(きりしまかなと)……27歳 菖蒲と同じ部署にいるひとつ下の後輩。 イケメンで仕事もできるため、社内ではひそかに人気の彼だが、 寡黙かつクールなところがあり、人を寄せ付けないオーラがある。 しかし、クールでありながら狙った獲物は逃さないタイプで、 終電での一件以来、菖蒲に対してはぐいぐい行くように。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop