傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
 お互いのことをポツポツと話しているうちにマンションまで辿り着く。
 カレーは出来上がったら持っていくと伝えて、彼からスーパーの袋を受け取った。

「カレー、楽しみにしてますね」
「あ、あまり期待しないでくださいね……」

 私がこれから作るのは至って普通のカレーだ。ハードルが上がりすぎても困る……と思ったけれど、彼は手料理が食べれるだけで十分だと言ってくれた。

「いつもスーパーかコンビニのお惣菜なので、手作りが食べられるだけで嬉しいですよ。では、出来上がりを待ってますね」
「……はい」

 部屋に戻り、早速カレーを作ろうとスーパーで買ってきたものをキッチン台に広げる。
 すると、彼が買ったトンカツやサラダまで出てきて笑ってしまった。

「もう、片瀬さん。買ったこと忘れてる……」

 仕事以外のことになると、ちょっと抜けてるんだよなぁ……と微笑ましい気持ちになりながら、トンカツとサラダをよけておき、早速カレーを作り始める。
 煮込むのに時間はかかったけれど、さほど手間もかからずカレーを作りきった私は、トンカツとサラダを袋に入れて、彼の部屋のインターフォンを鳴らした。

「はーい」

 扉の奥がバタバタと騒がしくなって、オフモードの片瀬さんが出てくる。
 カレーができたことを伝えるのと同時にスーパーの袋を差し出したら、彼がこてんと首を傾げた。

「片瀬さんが購入されたトンカツとサラダです」
「……あぁ! そうだった」

 スーパーで購入していたことを思い出したのか、彼が照れくさそうに笑った。
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