傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「いや、いい。これからは君が担当になるんだろう?」
「いまはお手伝いという形で入っているのですが、もしご希望ということであれば社内調整してみます」
「ぜひ頼むよ。営業と事務の担当が君たちなら安心だ」

 そのあと、鈴木さんと片瀬さんの間でトークが弾み、病院を出て車に乗り込んだ頃には十一時を回っていた。
 疲労は溜まっているけれど、結果的にお客様に納得していただけて、喜ばれたという事実は嬉しい。

 なんだかんだ次回のアポイントの日時まで決めてしまう片瀬さんの営業手腕には隣で見ていても鮮やかだった。

「よかったね、水嶋さん。なんとかなって」
「はい、本当に……。片瀬さん、ありがとうございました」
「俺はいつも通りの仕事をしただけですから。それよりも水嶋さんは企画部の働き以上のことをして大変じゃなかったですか?」
「大変……でしたけど、いい経験です。オフィスの中に閉じ籠もっていたら、倉庫担当の方の大変さとか、営業さんの大変さとか知らないままでしたから」

 何も知らないまま資料を作り続け、営業から持ち込まれる厄介な新規案件にぶうぶうと文句を言い続けていたに違いない。
 時々、理不尽な依頼内容かつ短納期で資料を作れと営業から言われることがあるけれど、その裏にはお客様とのいろんな駆け引きがあってのことなんだなぁ、と実感できた。
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