傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「すみません……。緊張が解けたらお腹が空いてきました……」
「わかります、お腹空きますよね。でもいまなにも持って……あっ」

 そのとき、出勤前に彼から貰ったお土産があったことを思い出す。
 鞄の中に入れっぱなしにしていたはず……と底をさらったら、紫色の袋に入った箱が出てきた。

「それ……」
「今朝、片瀬さんから頂いたものです。いま、ここで頂いてもいいですか?」
「もちろん、どうぞ」

 箱を開けると、クッキーが十枚ほど綺麗に入っている。
 私はそれを二つ取り出すと、片方を彼に差し出した。

「いいんですか? というか、俺があげたものなのに……」
「一緒に食べた方がおいしいですし。どうぞ」
「……では、遠慮なく」

 そう言って、彼が器用にハンドルを操作しながら袋を開けてクッキーを口に運ぶ。
 私も封を切って、クッキーを口に運んだ。

「……ん〜! おいしい!」
「でしょう? これ、好きなんですよ」
「甘さがちょうど良くて、さくさく食べれちゃいますね」
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