傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
 緊張しながらも玄関で靴を脱ぎ、彼の部屋に上がる。同じ間取りなのに、別の部屋へ来たみたいだ。

 彼の部屋は私の部屋よりも物が少なく、落ち着いている。家具も色を抑えているのか、全体的に黒い部屋だった。

「どうぞ。座って」
「ありがとうございます……」

 このマンションは1DKだ。カウンター式のキッチンに、小さなテーブルを置くためのスペースがあって、その奥の扉を開けたら寝室に繋がっている。
 家具を極力排除すればキッチンスペースにソファーを置くことも可能ではあるけれど、ちょっとだけ手狭になる。
 彼の部屋もソファーではなくテーブルを置いているようで、二脚分の椅子が用意されていた。

「なにか飲みますか?」
「お構いなく……」

 急遽、彼の部屋へ来ることになったのだ。
 片瀬さんだっていろいろ準備するのは大変だろうと思い、そう告げるも、彼は冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出してカップに注いでくれる。
 それを受け取り、一口飲んでから、やっと震えと緊張が解けた気がした。

「さっきの人は水嶋さんのお兄さん……とその同僚の方ですか?」
「えっと、背が低い方が兄で、その隣にいたのが兄の親友です」
「そうでしたか。随分とお兄さんと親しかったので気になったのですが、水嶋さんとは……」
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