傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
「どうぞ、そちらの部屋は二人でお使いください。三人だと手狭になるでしょうから、彼女は俺の部屋に上がってもらいます。……いいよね、葉月」

 さも本物の恋人であるかのように振る舞う彼に、私は頷くことしかできない。
 兄も剛人も呆気に取られているようで、ぽかんと口を開いたまま私たちのことを見つめていた。

「それではおやすみなさい」

 彼が部屋の扉を開け、私を部屋の中へと案内してくれる。
 部屋に入る瞬間、兄と剛人に視線を向けたけれど、彼がそれを遮るように私の前に立った。
 そのまま玄関へと通され、パタンと扉が閉まる。

(どうしよう、成り行きで片瀬さんの部屋に入っちゃった……)

 内心で冷や汗をかき、やっぱり今すぐにでも戻った方が……と振り返ったけれど、彼に鍵を閉められた。

「ここで騒いだら怪しまれるかもしれませんので……。どうぞ、中へ」
「い、いいんですか……?」
「いいもなにも、俺から言い出したことですし」
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