傷付いた心を癒すのは 〜男性が苦手な私の心を癒してくれたのはお隣さんでした〜
 トンと後ろから扉に手をつかれて、開かなくなってしまう。
 すぐ後ろに片瀬さんがいると思ったら、緊張で手が震えた。

(……あれ? 怖くて手が震えてるんじゃなくて……?)

 いつもなら逃げ出したいほど震えて、吐き気を覚えるほどなのに。
 この震えはどちらかというと、緊張から来る震えだ。

 自分でもわけがわからずに指先を見つめていると、彼の手が扉から離れた。

「深夜にあなたを外に放り出せません。もちろん、あなたの部屋にも帰せません。お兄さんだけならいいですが、あのご友人の方と一緒にはしておけませんので」

 ゆっくりと振り返れば、いつも通りの片瀬さんが立っていてホッと胸を撫で下ろす。

 彼はクローゼットの中から何枚かブランケットを取り出すと、私に貸してくれた。

「どうぞ、こちらをお使いください。来客用のものですので、お気になさらず」
「ありがとうございます……」

 ブランケットを受け取り、ソファーの端に座る。

 彼の寝室は私の部屋とは家具の配置が大きく異なっていて、窓際にベッド、その間を仕切るように低めの棚があって、扉側にテレビとソファーが配置されていた。

 私の部屋にはソファーを置いていない代わりにベッドから画面が見える位置にテレビを置いている。
 ソファーがない分をドレッサーや物を置くための棚に充てていた。
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