紺桔梗の転調




 一番曜汰を気にかけていたコーちゃんが、小学四年生の夏に突き放して以降、コーちゃんの横にいる私が仁志曜汰(にしようた)が出来るだけ一人ぼっちにならぬように、曜汰が悪口を言われぬよう、曜汰を安全な居場所へと引っ張った。

 曜汰は間違ったことを言ったり、誰かを傷つける行動は絶対に取らない。のんびりしてても、言うべき時はハッキリ意見を伝える。

 コーちゃんのまとめる巨大なコミュニティは面倒臭そうだけど、教室の端で友達と話す曜汰は時折すっごく楽しそうなの。家で飼ってるカメのこと、明日の給食、帰りに見つけた隠し通路について。

 何となく接しづらくて苦手な曜汰を、私は嫌いじゃなかった。

 曜汰が変に仲間外れにされたくないな。まぁ一番の仲良し・コーちゃんに嫌われるのは怖いもん、自分なりに曜汰を配慮した。

 私がお世話しないとってひっそり声をかける次山(つぎやま)りほのこと。コーちゃんが呆れた曜汰は、周りを気にするりほのお世話がウザかったろうな。



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