夜明けみたいな恋だった
──受け取り下手ねえ。

 私は幼い頃から、母にそう評されてきた。

 ひとつ例をあげると、こんな感じ──

 親戚の集まりに、伯母さんのひとりがベーゴマとヘアゴムを持ってきた。
 それもどっさりと。
 デザインや色だってとりどり。

 母は四人姉妹だったから、私にはいとこがたくさんいた。
 伯母さんが布バッグからザザアァっとそれらを出した瞬間、いとこたちからどよめきが起こった。

「何それ?」
「ほしい!」

 伯母さんがベーゴマとヘアゴムとをより分け、ふたつの山にするのを、いとこたちはワクワクしながら見守った。

 そんな中で、私だけはつまらなそうな顔を作って、横目で確認する程度に留めていた。
 内心では気になって気になって仕方なかったくせに。

「さあ、ケンカしないで仲よく分けなさいね」

 伯母さんの号令で、私ひとりを除いて、一斉に動き出す。
 男の子チームはベーゴマを、女の子チームはヘアゴムを取り囲んだ。

「ひとり何個?」
「数えるから待ってろ」
「どうやって分ける? じゃんけん?」
「えーっ、私このピンクのがほしい!」

(私もそれがほしい‼︎)

 でも、口には出さないでいた。
 ピンクのヘアゴムを視界の端っこにとらえたまま、興味のないフリを続けた。

 大人たちは私の様子を観察していた。
 けれど、何も言わない。

「愛莉ちゃんもおいでよ」

 従姉が私のことを呼んでくれた。
 気にかけてもらえてうれしかった。

 それなのに……

「私はいい。いらない」
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