夜明けみたいな恋だった
そんな私たちの終わりは、実にあっけないものだった。
これといった理由はない。
進級してクラスが別れたことで、何となく。
ケンカしたでも、ほかに好きな人ができたでもなく、本当に何となく『友達に戻ろっか』と。
もしかしたら、受験生になったことも心理的に多少影響したかもしれない。
大学に進学して以降は、流星とは一度も会っていない。
その後、私は大学を卒業して、一般企業に就職し、結婚もした──
「あの、もしよかったら……」
私は電車に揺られていた。
声のしたほうに視線を向けると、高校生の男の子が座席から腰を浮かそうとしていた。
そう、私は現在妊娠中なのだ。
「どうもありがとうございます」
笑顔で軽く頭を下げ、ありがたく座らせてもらうことにする。
男子高校生も会釈を返してくれた。
そのはにかむ様子の男の子は、流星とは全然似ていない。
けれど、私に流星のことを思い出させてくれるのだった──
END


