再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
五階建てのオフィスビルの三階、『水上デザイン事務所』の前に立つ。
この前、配達に来たときとは状況が違い、緊張で足が震えてしまう。

気持ちを落ち着かせようと、深呼吸した。

「美桜、入るぞ」

テツがそう言って優しく笑うと、ドアを開けて足を踏み入れた。

「おはようございます。あっ、竹之内(たけのうち)さん、社長もう来てますか?」

「鳴海くん、おはよ。社長はまだ出社してないよ」

テツと話していた女性の視線が私に向けられた。

「あら、あなたは……」

お腹の大きな女性と目が合う。
この人の後任になるんだと思ったら、自然と背筋が伸びる。

「おはようございます。夏木美桜と申します。本日はよろしくお願いいたします」

丁寧に頭を下げた。

「竹之内です。こちらこそ、よろしくお願いします。鳴海くん、社長はもうすぐ来ると思うから、社長室で待ってもらうようにして」

「分かりました。ありがとうございます。美桜、行こう」

テツが自然な動きで、私の背中に手を添える。
それを見た竹之内さんが目を細めた。

「あらあら、仲がいいのね」

「そう見えます? 今、頑張ってアタック中なんですよ。竹之内さんも応援してくれたら嬉しいです」

テツはなにを言っているの。
顔が一気に熱くなる。

「若いっていいわね。私が言うのもアレだけど、鳴海くんは優良物件よ。仕事はちゃんとしてるし、変に遊んでいる感じもないし。なによりイケメンだからね」

軽い冗談のように言いながら、竹之内さんはフフと笑う。
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