再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
「さすが竹之内さん! もっとプッシュしてくださいよ」

「あら、鳴海くんは私の協力がないと駄目なのかしら?」

「そんなことはないですけど、外堀を埋めることも大切かなと思って」

テツは不敵に笑い、私の方に視線を向ける。

「鳴海くんは策士なのね。これから面白くなりそうだわ」

竹之内さんは楽しげに笑う。

この会社の人たちは、みんなフランクに会話する感じなんだろうか。
楽しそうに話す二人を見ていたらそんなふうに思えた。
でも、私は面接のことで頭がいっぱいで、それどころではなかった。

社長室に通されると、空気が変わった気がした。
ソファに腰を下ろした瞬間、緊張感に包まれる。
そんな私を見て、テツが笑う。

「そんなにカチコチにならなくても大丈夫だよ。普段通りでいいから」

普段通りってそれが一番難しい。
高級感のあるソファの上で、視線をさ迷わせていたら、社長室のドアが開いた。

「おはよう」

快活な声が聞こえ、ショートカットの女性が入ってきた。
五十代ぐらいの年齢だけど、綺麗に年を重ねたキャリアウーマンといった感じだ。
テツが立ち上がり、私もそれにならう。

「社長、おはようございます。こちらが以前、話していた夏木美桜さんです」

「初めまして。夏木美桜です。本日はよろしくお願いします」

深々と頭を下げる。

「初めまして。ようこそ、水上デザイン事務所へ。私が社長の水上桜子(みずかみさくらこ)です」

握手を求められ、私は右手を差し出した。
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