再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
深夜の出来事と元カノの存在
翌朝、窓から柔らかな光が差し込む中、出来上がった料理をテーブルに並べる。
向かいの席に座っていたテツが、思い出したように口を開いた。

「そういえば聞くのを忘れてたんだけど、昨日はどうやって帰ったんだ?」

「バスだよ。事務所近くのバス停から、このマンション近くの路線があったの」

卵焼きを口に運びながら答える。

「へぇ、そうなんだ」

「だからね、今日からバスで行くよ」

「なんで? 一緒に車で行けばいいだろ。同じ場所に行くんだし」

テツは眉を寄せ、不満げに言う。

「それはそうだけど……」

私は箸を置き、視線を落とす。

「なにか不都合でもあるのか?」

「不都合というか、他の社員の人の手前、一緒に出勤してて変な目で見られたら困るでしょ」

「俺は全く困らない。それに……逆に牽制になって俺には好都合だ」

それに、のあとの声が小さくてよく聞こえなかった。
一体、なんて言ったんだろう。

「それに、なに?」

「別になんでもない」

そう言って首を横に振り、あっさりと話を切られてしまった。

「百歩譲って朝はそれでいいとしても、帰る時間とか違うから、結局バスで帰ることになると思うよ」

「うーん……分かった。帰りはバスでもいいけど、朝は一緒に行くことは決定な。反論は受け付けない」

言い切られ、私は小さく息を吐いた。
< 115 / 205 >

この作品をシェア

pagetop