再会ロマンス~幼なじみの甘い溺愛から逃げられない~
『水上デザイン事務所』で働き始めて、あっという間に一週間が経っていた。

仕事面ではまだ不安なところはあるけど、社員たちの顔はほとんど覚えられたと思う。

今日、私は定時で帰ってきたけど、テツは接待があって帰りは遅くなるらしい。

朝からずっと『ダルいし、憂鬱だ』とボヤいていた。
仕事の付き合いとはいえ、大変そうだ。

ひとりで晩ご飯を食べるのは、ちょっと寂しいかも……。
ふとそんなことを考えて、すぐに首を横に振った。

今までひとり暮らしをしていたので、こんなのは当たり前だった。
だから、寂しいと思ったことは一度もなかったのに。
静かな部屋がいつも以上に広く感じる。

テツと一緒に過ごすようになって、自分の中でなにかが変わったみたいだ。
それだけ、彼の存在が大きくなってきていることに戸惑いを覚えていた。

お風呂から出て、リビングのソファに腰を下ろし、テレビをぼんやりと見ていた。
今日は料理をする気になれなくて、晩ご飯はお茶漬けにした。
おかしいな。
ひとりのときでもちゃんとご飯は作って食べていたのに。
小さく息を吐き、視線をテレビに戻す。

そのとき、画面に見覚えのあるお笑い芸人が映った。

「あ、」

テツが好きだと言っていた人だ。
『このツッコミが秀逸なんだ』と楽しそうに言っていたのを思い出していたら、テーブルの上に置いていたスマホが鳴る。
画面を見ると、テツからメッセージが届いていた。

【戸締りはちゃんとしているか?】

なにそれ。
思わず笑みがこぼれた。
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